【活動報告】《議論》聖地巡礼&異世界作品 ✕《視聴》少女終末旅行&OBSOLETE
こんにちは!
2019年12月9日(月)の活動報告ブログです!
今回は、「ディベート?」と「アニメ視聴」を行いました! 例によって、簡単な内容の報告等を行っていきます。よろしくお願いします。
本日の活動は『議論』と『アニメ視聴』でした。
— 都留文科大学 アニメ・声優研究会 (@bundai_anikoe) 2019年12月9日
議論は人数が少なかったのもあり、とりあえず意見をどんどん出していこうという形に…(これは議論なのか)
写真にある2つのお題で色々と考えてみました。皆さんはどんなことを考えますか?
アニメは『少女終末旅行』『OBSOLETE』の1話を視聴📺 pic.twitter.com/7j33jwEgcB
ディベート
サークルのあるメンバーの提案で、今回は2つの議題について話しました。と言っても参加人数が思ったよりも少なかったので、皆んなで喋りながら項目を挙げていく感じでした。
オタクの「聖地巡礼」に関する問題点
【問題意識の背景】
この日参加したサークルメンバーは、積極的に聖地巡礼に足を運ぶタイプではないのですが、やはり近年「聖地巡礼」が話題になっていることもあり、また先日、高山に聖地巡礼に行ったメンバーの指摘もあり、この議題になりました。
高山への聖地巡礼の記事は、こちらです!
【デメリット】
①アニメ作品と風景を照らし合わせるだけ
②”アニヲタ”以外も問題では
③オタクのマナーが悪い?
④観光マネーが作品に還元されない
⑤写真撮ってそそくさと帰還してしまう
⑥市街地や学校等を無断に撮影する迷惑行為
⑦そもそも、関東近郊しか聖地がない
⑧関東圏にばかり聖地が集まっている
【メリット】
❶元々観光資源の無い地域の観光資源になる
❷地域の名前を知ってもらえる
❸ふるさと納税が集まる
❹移住する人が増える
【改善案】
・ルールやマナーを守る
→他人に迷惑をかけない ・原作やDVDを買おう!
【メモ】
《②:アニオタ以外も問題では》
アイドルオタクとか鉄道オタクとかでも、邪魔になったり迷惑掛けている例もあるし、一概にアニヲタを批判するのはどうか。聖地巡礼に関しても、『君の名は。』とかは普段アニメを見ない層が混雑等の原因になっている部分があったのではないか。
《③:オタクのマナーが悪い?》
でもこれは、聖地巡礼に限ったことではない。ライブとかイベントとかでも問題は発生しているはず。そもそも、「オタク」に限定するのはいかがなものだろうか。一部の心ない人達が評判を落としているし、近年は”オタク以外”の人々も問題になっている。
《④:観光マネーが作品に還元されない》
結局、聖地に行って写真撮ったり観光したりお土産を買っても、アニメ制作側にお金が回らなければ、それは問題ではないのか。原作や円盤にも投資すべきと思われる。
一方で、『花咲くいろは』のようにアニメ制作会社と温泉街とが協力して新しい町おこしをしたりしている事例もある。それに、アニメ製作委員会も權利を貸しているのだから、それは把握済みでは。
《⑤:写真撮影だけで満足する》
わざわざ高い移動費を払っているのにもったいない........。実際に、『君の名は。』とかでは高山駅の駅舎だけ撮影して帰る人々を目撃した(体験談)。せっかくなら、その地域の名産品を食べたりと、観光も楽しめばいいのに。 それに、その地域の名産品ってアニメに登場することが多いし。例えば、『ゆるキャン△』の「身延まんじゅう」とか。
インスタとかTwitterでイイネが稼げればそれで満足なのだろうか? でも、それは個々人の勝手だし、価値観の押し付けは良くないのではないか。
《⑧:関東圏に聖地が集中》
実際に、東京やその周辺ばかりに聖地が多いのは事実だと実感するし、愛知には何もなかった(愛知県出身)。
先日、アニメツーリズム協会が発表した、「アニメ聖地88」*1の2020年度版でも、実際に関東圏が多いことが確認できる。
《❶:新たな観光資源の創出》
元々大きな観光資源を有していない地域が舞台になることで、新しい観光資源となることが期待できる。実際に、全国の自治体では「フィルム・コミッション」を通じて作品の撮影を誘致している。
例えば、『とあるシリーズ』や『ガッチャマンクラウズ』等の舞台担っている東京都立川市では、先行事例ろなる鷲宮市等を視察して、地元企業などと協力をして「とあるアニメの連絡会」を設立して施策展開を行っている*2。
《❷:地域の名前を知ってもらえる》
アニメやその他作品を通じて、地域の名前を知ってもらうことができる。埼玉県鷲宮町が聖地巡礼の先進事例として挙げられている。例えば、
鷲宮町は、アニメ『らき☆すた』の舞台となり、ファンによる巡礼を受け、それがきっかけとなって、様々なまちおこしに発展し、メディアへの露出などが増えた地域
岡本(2012)*3
《❸:ふるさと納税が増える》
アニメに関連する商品やグッズを返礼品に当てている自治体もある。例えば、埼玉県の飯能市では『ヤマノススメ』の関連品を返礼品に当てて話題になっている*4。
《❹:移住する人が増える》
地域を知ってもらえたことで、移住する人が増える。先日TV放送されていた「アド街ック天国」では埼玉県秩父市が取り上げられ、移住した人のインタビューが放送された*5
【補足】
ちなみに、「聖地巡礼」は政府としても推進していて、「コンテンツ・ツーリズム」として以下のようにしています。
根幹は地域に「コンテンツを通して醸成された地域固有の雰囲気・イメージ」としての「物語性」「テーマ性」を付加し、その物語性を観光資源として活用すること
国土交通省・経済産業省・文化庁(2005)*6
増加する「異世界もの」に関する問題点
【問題意識の背景】
最近はTVアニメの放送ラインナップに「異世界もの」が散見されるようになり、サークルでも「各クールまとめ」等を行っていると様々な声が聞かれることから、取り上げてみました。
【悪い点】
①みんな同じに見える(既視感を抱く作品が多い)
→テンプレ化しすぎている。
②面白ければ問題ない=それが出来ていない
③現実世界と異世界との認識の違い
④カルチャーショックでは主人公が優勢
⑤基本的に中世の世界観
→逆に未来に行くのってない?
⑥親近感が持てない
→主人公に共感することが少ないかも?
⑦主人公の一強が問題
→最初から強いのはどうなの?
⑧そもそも、主題やテーマがない
【改善策】
《他のキャラを活躍させる》
主人公が一強で、サブキャラが添え物なのは良くない。ジャンプとかはサブキャラも活躍するから「◯◯推し」のようにファンも広がっているんではないか。
《オリジナリティが欲しい》
テンプレ感があっても、既視感が強くても構わないので、何か1つでもオリジナリティが欲しい。その点では『異世界チート魔術師』は本当に寄せ集め感が満載のアニメで辛かった。他方、『賢者の孫』もテンプレ感は凄かったけど、学園の仲間を強くするところにオリジナリティが見いだせていた。
《『灰と幻想のグリムガル』が凄い》
『灰と幻想のグリムガル』はやはりいい作品。元々主人公たちは強くなく、赤の他人同士でチームを組まされて、段々と手探りで強くなっていく過程がとても見事に描かれている。また、葛藤や暗い部分も含めて、とてもいい異世界作品になっていた。
《カルチャーショック》
主人公が異世界に来たとき、カルチャーショックを受けるが、大抵は主人公が情報・知識的に優勢な傾向。確かに中世世界観と現代とでは差があるが、「主人公一強」にも繋がる要因ではないか。
《”繋がる”系は名作?》
「転生」ではなく、「異世界と繋がる」ような作品は面白い傾向にあるのではないか? 例えば、『アウトブレイク・カンパニー』や『ゲート』、『異世界食堂』とかは面白かった。
【補足】
会話の中で、「何が増やした原因なのか?」という話がでました。アニメが増えている現状はプロデューサーや出版社の存在が大きいのではないか、と。しかしその原作となる小説やラノベが増えているのは出版社や消費者が要因か? けれど、多くの異世界作品はネット掲載からスタートしているから、元々人気があるジャンルだったのか?
───と、色々と考えられますね。
アニメ視聴
後半戦は、アニメ視聴です。
本当は『あさがおと加瀬さん。』が候補に挙がっていたのですが、残念ながら時間が若干足りなかったので、別の作品に切り替えました。
少女終末旅行
上の議論の中で「これは異世界作品か?」と少し話題に登った作品です。題名通り、終末感漂う世界の中で、少女2人がアテの無い旅をしていく、ゆったりしたアニメです。参加メンバーが口を揃えて「いいですねぇ~」となるくらい、いいアニメです!
第1話は、GyaO!にて無料で視聴できます!
TVアニメ『少女終末旅行』 PV @girls_last_tour #少女終末旅行
OBSOLETE
様々な作品を手掛ける「虚淵玄」が手掛ける本格ロボットアニメです。YouTube Premiumdのオリジナル作品で、無料で毎週1話づつ公開されていきます。
ジャンル的な部分で、好き嫌いが分かれるかもしれません。戦闘のシーンのリアルな描写や泥臭い感じ、マガジンを交換する描写とか最高です! それに、戦闘シーンのバックで流れるBGMがまた超格好いいんです!
PVと第1話を掲載しておきますね。
おわりに
前回といい今回といい、なんだか”まったり”とお喋りしながらの活動が続きますね。ちなみに次回は12月23日に「秋アニメのまとめ」をするので、この傾向が続きますね。
でも、こういう忙しくないサークルというのは、本当にとても居心地がいいものですねぇ...!!!!
さて、いつも通り私の個人的な事を少々。
まず、先々週の金曜日に映画『HUMAN LOST 人間失格』を観てきました! 太宰治の『人間失格』を原作に、冲方丁、本広克行、菅野祐悟、岩浪美和、ポリゴン・ピクチュアズ、宮野真守、花澤香菜という錚々たる制作陣です。SF好きなら前半は絶対に楽しめます! 他方、後半は少々飛ばしすぎましたかね。
以下で冒頭7分が公開されているので、ぜひ御覧ください!
【全人間、失格】11月29日公開 劇場アニメ「HUMAN LOST 人間失格」本編冒頭7分映像 主演:宮野真守
また、今週金曜日には、『ぼくらの7日間戦争』を観に行きます! 宗田理の小説を原作『ぼくらの七日間戦争』にした劇場版アニメです。原作小説も大好きだし、宮沢エリ主演の実写版もとても好きな作品なので、アニメ版でどう物語が紡がれるかが楽しみです。あの、大人に反抗する勇気と、スカッとする暴れようが最高なんです!
執筆:都留文科大学・Ei
*1:アニメの聖地を公式化することで、広域周遊観光ルートを官民連携で整備するとともに、地域と企業の橋渡しをして商品展開やコンテンツの海外発信を目的にしている。(公式HP)
*2:増淵敏之(2014)「アニメの舞台を訪ねる旅」『コンテンツツーリズム入門』pp. 14-15、古今書院
*3:岡本健(2012)「コンテンツツーリズムにおけるホスピタリティマネジメント:土師祭「らき☆すた神輿」を事例として」『HOSPITALITY』18巻、pp.165-174、日本ホスピタリティマネジメント学会<http://hdl.handle.net/2115/47263>(2019年12月10日アクセス)
*4:コミックナタリー(2018)「飯能市ふるさと納税返礼品に「ヤマノススメ」リュックやレインスーツが新登場」<https://natalie.mu/comic/news/311178>(2019年12月10日アクセス)
*5:テレビ東京「秩父温泉郷」『出没!アド街ック天国』<https://www.tv-tokyo.co.jp/adomachi/backnumber/20191116/>(2019年12月10日アクセス)
*6:国土交通省総合政策局観光地域振興課・経済産業省商務情報政策局文化情報関連産業課・文化庁文化部芸術文化課(2005)「映像等コンテンツの制作・活用による地域振興のあり方に関する調査」p. 49<http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/ souhatu/h16seika/12eizou/12eizou.htm>(2019年12月10日アクセス)